心理リハビリテイション全国大会ひょうご大会に参加して

心理リハビリテイション全国大会ひょうご大会に参加して

カノン 寿時 悠

 自身が動作法というものに関わり始めてから2年近く経ち、この度、初めての全国大会に参加させて頂きました。基調講演では、脳性麻痺があり、トレーニーでありながら、市議会議員の副議長として活躍されている古庄さんの話を聞きました。古庄さんは自身の議員活動をはじめ、生きづらさが増し、強い緊張を覚える場面が多々ある現代社会において、動作法は欠かせないとお話しされていました。

 また当事者企画では、実際にトレーニーや家族の話を聞き、動作法によって感じた変化や親が動作法に関われなくなった時の不安、動作法を知る・行ううえでの課題などが話されました。

 最後の全体会では、これまでの「泊りキャンプ」から「通いキャンプ」を求める声の高まりから、地域の実情に合った新しい形での取り組みが求められるとのことでした。また災害の視点からも話され、「泊りキャンプ」は母子分離のため実は災害時の対応に役立つという話も出ました。今、この文書を作成しながら改めて、内容の濃い大会だったなと感じています。そして今回の大会で特に記憶に残った話が2つあります。

 ひとつ目は、当事者企画で当事者の方から出た、「5本指を含め、足裏全体で踏みしめが出来たときに足の存在を感じた」という話です。この話はとても印象深いものでした。これまで不自由なく、「立つこと・歩くこと」を行ってきた私にとって、その存在を深く意識するということはありませんでした。動作法で言う動作は、「意図+努力=身体運動」という一連の図式と学びましたが、その前段階として、まずは動かす部分を認識してもらうことが重要なのではと感じさせられました。

 ふたつ目は、最後の全体会の話の中で、はじめて動作法を体験すると「怪しい・・・けど効果はありそう」と多くの人が感じるということでした。その段階から、「面白くて効果がある!」に意識が変わったとき、動作法の沼にはまるという話でした。この意識の変化がトレーナーを増やすことにつながることだと。

 かくいう私自身も「怪しい」と思った一人です。今では少しずつではありますが、「面白い」を感じられるようになってきたように思います。全国大会では主に座って話を聞く時間が長かったですが、途中眠ることなく参加できたのも「面白い」と感じ始めている兆候なのかもしれません。そして、この動作法と出会ってから多くの人と出会い、助けられ、トレーナー資格を頂くことが出来ました。これからも知識や技術を磨きながら、日々動作法と向き合っていきたいと思います。

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